
2025年4月22日

株式会社Elith(本社:東京都文京区、代表取締役:井上 顧基)は、機械学習分野で最も権威ある国際会議の一つであるICLR(International Conference on Learning Representations)2025のWorkshop AgenticAIにて、専門領域を統合したマルチエージェントシステムに関する研究論文が採択されたことをお知らせいたします。「ICLR」は「NeurIPS (Neural Information Processing Systems)」「ICML (International Conference on Machine Learning)」と並ぶ、機械学習分野で最も権威のある学術会議の一つです。
詳細こちら
https://openreview.net/forum?id=5XNYu4rBe4
論文の概要
背景と目的
近年、単一の大規模言語モデル(LLM)の性能向上が注目されていますが、専門領域ごとの深い知識を効果的に統合することには課題がありました。 Elithは、異なる専門分野に特化した複数のAIエージェントが動的に連携し、専門知識を活用した高度な推論を実現する新たなマルチエージェントシステムを開発しました。
提案した技術
本研究では、各エージェントが特定の専門分野のデータベースから知識を動的に取得・更新し、4つのエージェント間の接続方式を提案しました。
分散型:すべてのエージェントが相互に直接コミュニケーションし、専門領域間の知識共有を最大化。
中央集権型:管理エージェントを介して情報を集約し、統一した推論を形成。
階層型:段階的に問題解決を洗練させることで、高品質な推論を実現。
共有プール型:全エージェントが会話履歴を共有し、情報の再利用を促進。
実験と結果
本手法の有効性を検証するため、学術論文データベース(arXiv)を活用した実験を実施しました。その結果、マルチエージェントシステムは単一エージェントモデルに比べ、推論の精度と安定性が有意に高いことを示しました。特に、各エージェントが専門領域に特化した「エキスパートモード」ではさらに高いパフォーマンスを発揮しました。また、動的に知識を更新することで、常に最新かつ関連性の高い情報を反映したロバストな推論が可能となりました。
今後の展望
今回の研究成果は、複雑な学際的課題における専門知識統合や合意形成に向けて、マルチエージェントシステムが効果的であることを示唆しています。 Elithでは、今後もさらなる規模の拡大や動的接続方式の適応機能の開発を進め、多様な業界での実用化を目指します。
【ICLR(International Conference on Learning Representations)について】
ICLRは機械学習分野で最も権威のある国際会議の一つであり、「NeurIPS」「ICML」と並び、世界中から最先端の研究成果が集まります。 ICLR 2025では約11,500本の投稿があり、採択率は32.08%でした。